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伝統野菜「日野菜」のお話

滋賀県の伝統野菜で有名な「日野菜

(伝統野菜とは、その土地で古くから作られてきたもので、 採種を繰り返していく中で、その土地の気候風土にあった野菜として確立されてきたものをいいます。)

すらりと長く、紅紫と白のツートーンカラーでとても美しいカブの仲間です。

今回、日野菜についてお話をうかがったのは日野町の「日野菜愛承会」寺澤 清穂さんです。
寺澤さんは、日野菜の育種の研究や日野菜の原種を守る活動をされています。

日野菜ものがたり

みなさんは、日野菜の歴史を知っていますか?

日野菜の発祥は、日野町の鎌掛(かいがけ)。
日野菜が発見されたのは、なんと約500年前の室町時代と言われています。

時の領主だった蒲生貞秀公が日野町鎌掛(かいがけ)の山奥にある観音堂で発見したと言われています。

そのかぶを採取し、試しに浅漬けにしたところ、美しい桃色で風味がとてもよいということで、その後、この地で栽培されるようになりました。

当時、貞秀公が親交のあった公家の飛鳥井雅親卿(歌の先生)にこのかぶのお漬物と歌を添えて贈られたことがあります。

ちぎりおきて けふはうれしく
出づる「日野菜」と
「あかつき」を恨みわびけん

(あなたと今日会える約束をしていましたね。早く目が覚めましたが、あたりはまだ薄暗く早く日が上がらないかとうらんでました)

貞秀公から贈られて来た珍しい漬物を食した飛鳥井雅親卿は、大変風味が良かったため、後柏原天皇に献上をされました。天皇も風味豊かな漬物を大層よろこばれたそうです。

漬物の色が桜色であったため、天皇は、「この漬物を桜漬と名付けて和歌を送ってやれ」と仰せになりました。

そこで飛鳥井雅親卿はつぎの一首を詠んで貞秀公にお礼を送ったそうです。

近江なる
ひものの里の桜漬け
これや小春のしるしなるらん

このことから、この菜は「日野菜」と名付けられ、お漬物を「桜漬け」として親しまれるようになりました。

現在では、紅白色でおめでたいということから祝いの席のお料理にもよく使われています。

当時の日野菜は「牛角」のかたち

当時は牛角と言って、牛の角のように曲がっており今のような細く真っ直ぐな形をしていませんでした。

明治時代に入り、日野町の種苗業者が何代にも渡って品種改良をされ、今のようなすらりと真っ直ぐに伸びている形になりました。

この日野菜の絵は江戸後期に、大阪で活躍された日野町出身の浮世絵師・月岡雪鼎(つきおか せってい)が送った礼状に書かれていたものです。

礼状には日野菜の発見のいきさつが書かれており、当時の日野菜をイメージしながらこの絵を描かれたのかもしれませんね。

根の部分も赤と白に見事に描かれています。

こちらの絵は日野町志に掲載されています。(引用:http://hinona.jpより)

歴史を知ると、長い年月をかけて改良を重ね、代々受け継がれてきたという感慨深さがありますね。

日野菜の原種を守り続ける

日野町では、日野菜の原種を守るため、様々な取組をされています。

日野菜はアブラナ科と交雑しやすいこともあり、放っておくとすぐに原種が途絶えてしまうのだとか。

そのため、他の植物と受粉しないよう栽培にも一定の注意が必要になります。

原原種から原種を作り、その種を撒いて栽培するという方法で、今も日野町で採れる日野菜の遺伝子が受け継がれています。

「日野菜の遺伝子を長い間、逃さないようにと先人がずっと守ってきた。それを絶やさないように、守っていきたい。」と寺澤さん。

「伝統野菜」は長年、地域の方が守ってこられた「伝承野菜」なのですね。

日野町で作られた日野菜はどこで買える?

日野町で作られた日野菜は、
JAグリーン近江日野東支店(TEL:0748-52-2211)や直売所で購入できます。

また、日野菜を使った加工品ではドレッシングやキムチなども販売されています。
日持ちのする加工品はネットでも販売中!https://www.jagreenohmi.jas.or.jp/speciality-products/04.html

伝統野菜である日野町の日野菜をぜひ一度食べてみてください。

日野菜をもっと詳しく知りたい方は→https://hinona.jp